本研究では,制動時にモータ軸を回転させることで生じる運動エネルギを電源系統等の別用途に再利用可能な特徴を持つ回生ブレーキをシステムに適用して,利用者の運動動作に対してブレーキ制御を行うことで適切な移動支援を提供する.そして支援より生じた制動エネルギを電気エネルギへと変換し,回生する.さらに,回生したエネルギを利用者の状態や環境状況に応じて,利用者の運動動作をアシストする力として再利用が可能であるブレーキとアクティブの両機能を状況によって使い分ける事ができる移動支援システムの開発を行っている.これまでに,開発したハードウェアを用いて,ブレーキ駆動時において一定の速度に抑止する速度制御や障害物との衝突を回避する衝突回避制御,アクティブ駆動時において上り坂を平地と同様に走行可能である重力補償制御などの各駆動時における制御の有効性を確認した.また,環境状況に応じて駆動方式を切り替える制御手法の提案と実験により有効性の確認した.