超高齢社会の到来により、肢体に不自由を持つ患者が増大し、車いすの需要が高まっています。ところが、車いすを使い始めるとさらに足腰が弱ってしまうという問題があります。そこで下半身の強化と移動性の向上を目的として、歩行よりも少ない力で移動が可能な足こぎ車いすが注目されています。しかしながら、足こぎ車いすは屋内での利用が想定されており、利用者の自発的な移動を促すためには、屋内外問わず利用できることが望ましいです。このとき重要になるのが、路面状況によらず一定のこぎ心地を維持できること、狭い路地においては、後退が可能であることだと考えています。そこで、私の研究では無段変速機とクラッチを組み合わせ、それらを制御することで、屋内外問わず利用しやすい足こぎ車いすの開発に取り組んでいます。